2013年8月27日 野の花294号 抜粋
私を強くして下さる方によって 私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました。
私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も 知っています。
また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも 乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。
私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。 ピリピ四:十一 ~ 十三
人生は、筋書きのないドラマのようです。
明日は何が起こるかわからないからです。
この人生を歩むには日頃、どのようになっても対処できる心得を知って置かなくてはならないでしょう。
どんな境遇にあっても 人間は境遇に依存しています。
私たちはいま、立派な建物の中に暮らしているが、地震や何かで全部こわれるとどうやって生きていていいかかわからなります。
戦災に生きた私などは、まるで夢のような便利で快適な住宅です。
最近にも、東日本大震災で障がい者の方が一般の避難所では生きて行けないというデーターが出版されています。
実際にエレベーターは動かなくなる。電動ベッド、電動車椅子は動かなくなる。
しばしばTVの映像を見て、絶壁に生きている鳥たちが喜々としている羨ましいと思ったことがあります。
鳥たちからすれば、さまざまな苦労があると思いますが-。
神学生時代に、「境遇のまま形作られるか、境遇を変えて行くかによって、人の一生は決まる」と言う言葉に触れたことがあります。
いい言葉だといまだに忘れないでいます。
今わたしは振り返って、このどちらだったろうかと考えるのです。
『満ち足りる』とはどんな境遇にも左右されないで満足出来る状態を指します。
そんなことが私たちには出来るでしょうか。
『学びました』。
パウロは学びましたと言っています。自然に生まれて来るものではない。
多くの訓練、多くの戦い、多くの励ましがあって、長い長い道のりがあってはじめて体得できるものです。
この手紙を書いた時、『キリストのゆえに投獄』されていました。
もっとも満ち足りた状態とは反対の境遇に置かれていたのでした。
貧しさにも豊かさにも 『貧しさの中にいる知っており、豊かさの中にいる道も』『知っています』。
頭の知識としてではなく、経験してすっかり身についています、と言うのです。
パウロは『悲しんでいるようでも、いつも喜んでいるーⅡコリント6:10』
『たびたび眠られぬ夜を過ごし、飢え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さに凍えー同11:27』
という経験をしたときびしい体験を語っています。
この『知っています』は、そうした体験をしたからこそ確信に満ちて述べることができたのではないでしょうか。
人間は富めば傲慢になり、貧しくなれば浅ましくなるどうしようもない存在です。
富んだら神をあがめ、貧しくても神をたたえる生き方をしたいものです。
どうしたら強くされるか祈り。
パウロが肉体のとげを取り去って下さるように願い、「わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」「弱い時にこそ強い」との神さまからの答を頂きました。
肉体のとげのために、どんなに悲しい、つらい思いをしたことでしょう。
神さまの答は、最初はなかなか納得できませんでした。
パウロはさらに取り除かれるまで、祈ろうと決心しました。
神さまのほうも忍耐強く語り続けられました。
ついにパウロのほうが説得されて、自分は弱い人間だと認めざるを得ませんでした。
『弱い時にこそ強い』
これはやせ我慢ではありません。
弱いところにこそ神さまの力を頂いて生きよう、働こうとした勝利宣言でありました。
自分の一時的な強さで生きようとしても限界がある。
それよりも、初めからシャッポを脱いで、神さまの力を身に受けて生きたほうが、働いたほうが、よほど賢い、その賢い生き方をパウロは選んだのでした。
かしこいですね。あなたはどうですか。
みことば。『また御霊の与える剣である、神のことばを受け取りなさいーエペ6:17』。
クロムウェル(イギリスの清教徒革命の指導者)は死の間際に、側近の者に読ませ、自らもこの言葉を口にして、天に帰って行きました。
死という最も弱くされた時に、強くされたのでした。
フランス革命のように血を流さなかったけれども、御霊の剣である神のことばによって戦い抜いて凱旋したのです。
信仰。
『世に勝つ者はだれでしょう。
イエスを神の子と信じる者でありませんかーⅠヨハネ5:4,5』
『どんなことでも出来る』方は神だけです。
どんなことでもできるといっても、神のように何でもできるというのではありません。
私たち人間の場合、出来ないことだらけです。
むしろ、試練、誘惑、貧しさ、豊かさの中にも、キリストに強められる時、逆境と順境、どんな境遇にも対処できることを指します。
私たちの弱さを覚えながら、私を強くしてくださる方から、祈り、みことばを受け取り、あらゆる境遇に勝つ者となりたいものです。
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